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2022.06.03

POSデータからは見えない計画購買/非計画購買の謎を紐解く

POSデータからは見えない計画購買/非計画購買の謎を紐解く

今回のテーマは「計画購買と非計画購買」。お客様との会話の中でも、よく話題に出るキーワードの一つです。 自社商品の計画購買と、非計画購買の割合はどうなっているのだろう?と悩んでいるマーケターやブランドマネージャーの方も多いのではないでしょうか。 何故なら、「計画購買率や非計画購買率」は、POSデータや、ID-POSのデータからでは情報を取得することが非常に難しいからです。

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まず、計画購買と非計画購買の定義ですが、実は文献によって様々。
今回は、コニカミノルタマーケティングサービス の考える定義に基づいて説明します。

  • 計画購買とは 「入店前に何を買うか決めていて、迷わずに購入に至った購買行動」
  • 非計画購買とは 「入店後に何を買うか決めておらず、迷ってから購入に至った購買行動」

計画購買・非計画購買の割合は商品カテゴリにより異なりますが、*ある文献 によると日用品は7~8割が非計画購買であると言われています。
※ 出典:(株) 朝日新聞出版発行「知恵蔵」

計画購買・非計画購買を把握することの重要性とは

ではなぜ、計画購買・非計画購買を把握することが重要なのでしょうか。

それは販促効果に影響を与えるためです。

商品購入施策には、大きく分けて「店外施策と店内施策」の2つがあります。

店外施策には【広告】や【口コミ】などがあり、これらは計画購買されやすい商品に特に影響を与えます。

一方、店内施策には店頭キャンペーンなどがあり、これらは非計画購買されやすい商品へ影響を与えます。

つまり、商品の買われ方から計画購買なのか非計画購買なのかを知り、それに合わせた施策を打つことで販促効果が高まることが期待されるということです。

では、実際に「計画購買」と「非計画購買」を把握する為にはどうすれば良いのかを次の章で説明します。

計画購買・非計画購買を把握するのに必要なデータとは

計画購買・非計画購買の判別については、 *過去の研究 から

【初めて手を伸ばすまでにかかった時間】や【商品に手を伸ばした回数】、【合計の滞在時間】などが有効である事が分かっています。(下表〇印参照)

つまり、これらのデータがあれば計画購買・非計画購買を判別することが可能になるということです。

そしてコニカミノルタのショッパー行動解析サービスGo Insightを使用すると、計画購買と非計画購買を知る為に必要とされたデータの多くが取得可能となります。

*出展:情報処理学会研究報告 商品棚前における非計画購買者の行動特徴の検討

Go Insightは、リアル店舗に設置したAIカメラにより、顧客の属性、滞在情報、商品接触を含む棚前の購買行動情報の取得ができます。

さらに、流通様とのカメラの設置交渉から経験豊富なデータサイエンティストによる、データ分析、示唆出しを含めた報告書作成まで、ワンストップでのソリューション提供を行っています。

良く受ける質問として、POSデータとの違いがありますが、POSデータは購買時点のデータであるのに対して、Go Insightは上の図の水色枠内にあたる、購買前の一連のショッパーの行動データを取得することが出来ます。

*Go Insightの特徴をより知りたい方は コチラ!

では、実際のGo Insightで取得したデータサンプルを見ていきましょう。

取得出来る情報の一例として、「売場の滞在時間」があります。上記スライドに示したように、売場での滞在時間は、カテゴリ毎に大きく異なります。

上記の図で示したデータサンプルの中では、嗜好品であるアイス、コーヒー、お菓子といったカテゴリの売場滞在時間が長いという傾向が読み取れます。

また、データはGo Insightビューワーとして確認をいただくことが可能です。

(*左の図は年代ごとの属性や棚前での立ち寄り、滞在、商品接触、購入を示したグラフとなり、右の図は、商品棚を商品への接触数をもとにヒートマップ化したビューワー)

更には、パネル調査やアンケート調査と比較した場合、アンケートの課題であるデータの信憑性という課題もGo Insightであれば解決できます。

アンケートは多くのバイアスがかかってしまいます。一方リアル店舗における無意識な購買行動を数値化できるGo Insightであれば、アンケートのようなバイアスがなく、何千という単位のデータ提供が可能です。

*Go Insightの特徴をより知りたい方は コチラ!

計画購買・非計画購買のAIモデルとは

Go Insightの取得データを用いて、計画・非計画購買を判定するAIモデルを作ることができます。(動画でより分かりやすく解説しています。本動画が見たい方は コチラ!)

例1:商品カテゴリに関する分析

例えば、商品やカテゴリごとの計画購買率と非計画購買率、それぞれの割合を算出し、差異を把握することができます。

左の棒グラフからは、計画購買の割合はカテゴリの中でも、約4~7割のバラつきがあることが読み取れますが、日常的に購入するお茶などは計画的な決め打ち買いが多く、果汁飲料など嗜好品は非計画的な購買が多い、というのは自分の購買行動を振り返っても納得感があるのではないでしょうか。

例2:商品単体に関する分析

商品の計画購買率と売上データを組み合わせることで、商品をクラスタリングすることができます。商品をクラスタリングすることは、施策立案、実施に大変役立ちます。

(*左の表は商品A,B,C,Dの計画購買率、売上、クラスタが示されている。この商品をプロットしたのが右の図。横軸に計画購買率、縦軸は売上)

クラスタリングに関して詳しい動画で解説しております。
クラスタリングに関する動画はコチラ!
※該当箇所は解説は動画の20:48~です。

プロダクトライフサイクル(PLC)×Go Insightデータで実現出来る二つの未来像

最後にこれまで説明してきた、計画購買率やGo Insight独自の商品接触データに焦点を当てながら、プロダクトライフサイクル(PLC)へ応用した場合を考えてみましょう。

(* 本テーマはGo Insightを使った分析の将来的な可能性をお伝えするパートで、現在内容は研究、精査中です。)

プロダクトライフサイクルとは、4つのステージからなる製品・市場の成長パターンです。下記の図に示したように、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つのステージがあります。

【プロダクトライフサイクルの4つのステージ】

  1. 導入期:製品を市場に投入する段階。認知が低いため、売上も大きくない。製品認知を高めるための広告宣伝費が必要となり、利益はあまり期待できない。
  2. 成長期:売上と利益が急拡大する段階。競合他社が追随をしてくるのもこの段階。
  3. 成熟期:成長が鈍化し、売上、利益とも頭打ちになる段階。上位企業にとってはコスト優位性を活かしシェアを維持することが重要な課題で、下位企業にとっては生き残りをかけ、特定ターゲットをねらったニッチ戦略が重要になる。
  4. 衰退期:値引き競争が頻繁に行われ、売上も利益も減少する時期。投資を抑えて効率性を高めながら、既存顧客を維持することが重要な課題になる。また、ブランドの残存価値を他の製品に活用したり、撤退時期を判断したりすることも重要。

プロダクトライフサイクル(PLC)とGo Insightのデータを掛け合わせる事でどんな未来が予測できると思われますか。今回は二つほどお示しいたします。

一つ目は、導入期においての先行指標となりえるということです。

例えば、左上の図のように導入期においては、売上データ(紫色の折れ線グラフ)のみでは、商品の販売を今後も継続するか判断が難しい場合があります。しかし、この売上データのグラフに商品接触のデータ(水色の折れ線グラフ)を加え、右上の図のように商品接触の値が順調に伸びていることを確認出来れば、売上データのみで判断するより自信を持って販売継続の判断が出来ると考えています。

例えば、左上の図のように導入期においては、売上データ(紫色の折れ線グラフ)のみでは、商品の販売を今後も継続するか判断が難しい場合があります。しかし、この売上データのグラフに商品接触のデータ(水色の折れ線グラフ)を加え、右上の図のように商品接触の値が順調に伸びていることを確認出来れば、売上データのみで判断するより自信を持って販売継続の判断が出来ると考えています。

二つ目は、衰退期においての遅行指標になりえるということです。

衰退期は売上が低下します。その主な要因として、非計画購買者から先に商品を購入しなくなると考えられるからです。つまり、売上は落ちますが計画購買率は高まります。

右上の図では、購入者は少ないものの、計画購買率が上がることで熱烈なファンの存在を示唆しています。熱烈なファンであるので、値引きなどは必要なく、むしろエンゲージメントを高める施策が必要となります。

今回は計画購買・非計画購買についてのウェビナ―のポイントをまとめさせて頂きましたが、如何でしたでしょうか。皆さまに一つでも新たな学びがございましたら幸いです。

下記のスライドをもちまして本日のまとめとさせて頂きます。

まとめ

計画購買、非計画購買についてもっと詳しく知りたい、自社カテゴリの傾向を知りたい等ございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

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