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2020.10.30

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【ウェビナー開催レポート】 そのクリエイティブ、本当にお客様に伝わっていますか?〜販促施策の効果検証、その方法とは〜

【ウェビナー開催レポート】 そのクリエイティブ、本当にお客様に伝わっていますか?〜販促施策の効果検証、その方法とは〜

株式会社クリエイターズマッチ共催の本ウェビナーでは、店頭POPやWEBバナー等、販促施策の効果検証方法をリアル(店頭販促)/デジタル(EC・WEB)それぞれでの最適な実現プロセスを含めてご紹介致しました。 第一部は店頭販促の効果検証について定量的なアプローチを、第二部はクリエイティブを定性的に分析する為のツールをご紹介。第三部ではトークセッションを行いました。

<この記事を読んでいただきたい方>
・販促物の効果を検証したいマーケティング部門の方
・販促コスト削減を実現したい経営企画部門の方
・店頭消費者行動に関心のある調査部門の方
・現在のクリエイティブ制作プロセスに課題や不満を感じている方

第一部 店頭販促の効果検証、その手法とプロセスとは?

第一部 講師
コニカミノルタ株式会社
マーケティングデータコンサルタント
清水 隆史(しみず たかし)

ショッパー行動解析サービス「Go Insight」の企画・開発に携わり、飲料品・食料品・日用品・嗜好品など20社以上のメーカー・ブランドオーナー様や小売・流通企業様の課題解決を支援。マーケティングデータ分析を行いながら企業のデジタルトランスフォームを支援すると共にエバンジェリストとしても活動し、セミナー・研修等の登壇多数。スクラムマスターとしてアジャイルマーケティングのアドバイザリーにも従事。サイエンスの観点からマーケティングを進化させる。専攻は宇宙物理学。

■よいクリエイティブとは?
一口にクリエイティブと言っても、ウェブサイト・バナー広告等のデジタルアセットや店頭什器、POP等の販促物、雑誌・新聞・交通に掲載されている広告等様々なものがあります。 また、よいクリエイティブとは何かという問いにも様々な答えがあり、今回事前に実施した社内アンケートの結果からも、クリエイティブ評価における課題が浮かび上がっておりましたので、そちらも踏まえてご説明致します。

課題①「よい」クリエイティブとは何かを定義できていない
上記アンケート結果の様に様々な回答がありましたが、大まかに分けると下記の3つに分類ができます。

よいクリエイティブとは?
売上系:売り上げに直結する、LTV向上等
行動系:手に取りたくなる・顧客の意思・行動を大きく変容させる等
感情系:ぱっと見でワクワクできる・気づき・感動を与える等

このように「よい」クリエイティブの定義は様々であり、何を目的としてクリエイティブを制作するかによって、よいクリエイティブの定義は変わってきます。その中でも、クリエイティブ制作時に指標として意識しておきたいのがROI(投資対効果)です。

大事なことは定義を決めるということなので、クリエイティブを作る前にリターンとインベストメントにどのような数値を指標として取るか、しっかりと定義付けておきましょう。

課題②:計測できていない

現在の日本において、売り上げ構成比の約94%がリアル店舗での購買、残りの6%がECサイトとなっておりますが、その大部分を占めるリアル店舗のカスタマージャーニーは把握できていません。商品購入前の情報、つまりお客様が棚前で何を見てどのように迷われて最終的にどの商品の購入を決定したかを知る為にID-POSデータのみでは分析ができません。今までは、店頭販促物の良し悪しを調査する際は売上で比較するしか手段がありませんでしたが、売上だけでは販促物のみの影響を測ることは難しいです。

課題③:検証できていない
また計測できたとしても、それが販促物だけの効果なのかを判断する為には、新商品の投入やキャンペーンの影響、社会的な要因(新型コロナウィルス等)等様々なバイアスを除去する必要があり、効果検証がとても難しいのが現状です。

■クリエイティブの効果検証を行うプロセス
では、どのようにしたらクリエイティブの効果検証を行うことができるでしょうか。課題で挙げた3点の裏返し、つまり、①定義する②計測する③検証する、の3つを行えばよいのです。

ここでは、新商品Aに合わせて2種類準備をした販促物(αとβ)の効果検証を例に挙げ説明致します。

定義する
販促物の目的と評価指標を定義する。(可能であればKPIも設定、仮説でOK)
例えば、新商品で認知度が低い場合いきなり購入に至る可能性は低いと仮定。よって今回は「商品接触回数が増加すること」を販促物の効果だと定義。この段階では仮説でも構わないので、定義をしっかりと決めることがポイントです。

② 計測する
実験手順を計画して計測を行う。
例えば期間を分けてABテストを実施し、それぞれの期間における新商品Aへの接触回数を計測します。

③ 検証する
計測結果を集計、比較、分析し示唆を得る。
A期間とB期間の計測結果を集計・比較した結果、販促物βを設置した際に1.3倍の商品接触回数があったことから、販促物βの方が1.3倍効果があるという結果を導き出せます。

商品の接触と滞在はどのように計測するのか
例えば弊社のGo Insightでは、リアル店舗の天井にカメラを設置しAIで解析することで、商品の接触や売り場での滞在時間など属性を含めてデータ化し、可視化することが可能です。またこのようなプロセスを使うことで、販促物や棚割り、チャネル別の効果検証を行うことができます。当日は食品メーカー様の事例もご紹介させて頂きました。

第二部 売れ続けるクリエイティブの極意

株式会社クリエイターズマッチ
取締役
布田 茂幸(ふだ しげゆき)

明治大学卒業後、エンプレックス(現SCSK)、ecbeingを経てクリエイターズマッチへ入社。 ベンダーとしてこれまで多くの企業のECサイトを中心としたマーケティングとシステムコンサルティングに従事。現職では支援領域をクリエイティブや働き方改革まで広げて精力的に活動中。

■成果のあがるクリエイティブを作り続けるためには
第二部では、クリエイターズマッチ社が創業以来13年間、成果のあがるクリエイティブを作り続けるため行っている3つのこと(①教育②定性分析③高速PDCA)のうち、今回のテーマである定性分析にスポットをあててお話頂きました。

定量分析のワナ(数値分析のワナ)
バナー広告やLP等、多くの企業のマーケティングご担当者様はA/Bテストなどの定量的な分析を行っていると思います。バナーなどのデジタル系のクリエイティブは、分析のし易さから定量的な分析に偏ることが多いですが、定量的な分析だと「なぜ」が見えてきません。例えば、バナーA案とB案を制作してA/Bテストを行った際、数値上はA案のほうが明らかにCVRが高いことが分かっても、「なぜ」A案のほうがCVRが高かったのかの理由は推測するしかなく、次に生かすことが中々できませんでした。

これを解決し、なぜそのクリエイティブが受けるのか、ダメだったのか、制作に根拠を持たせる為に開発されたのがクリエイターズマッチのADTestというサービスです。100万人のモニターの中から数百人を自由にターゲティングし、調査を行いたいクリエイティブをモニターのPCに投影、Web上でクリエイティブの良し悪しをモニターに書き込んでもらう形で定性分析を行います。数値ではなくモニターの生の声の分析なので、制作者や広告主の主観を入れずに、しっかりとした根拠をもってクリエイティブを改善することができます。

当日はクリエイターズマッチ社のAdFlowという製品のバナー広告を例にクイズを行いました。300人のモニターから一番支持されたバナーはどれでしょうか?

正解はHです、皆様の予想と一致しましたでしょうか。
また、正解された方は、最も支持されたのがHである理由はお持ちでしょうか。

[モニターのコメント抜粋]
・60%削減が明確に響いた
「無料トライアル」が良い
・この手のツールはカンタンというのがポイントとなる
・直感的な指示出しツールであることが伝わってくるから
・電子ペンで赤入れしたいから。

上から三つ目までのコメントは想像がついた方も多いかもしれませんが、確かに赤ペン(電子ペン)で文字入れができるということを表現しているのは確かにHだけだったのです。

このように「なぜそのクリエイティブが支持されたのか」という理由を知ることができる為、効果の高いクリエイティブを根拠をもって制作できるというのが、定性調査を行う強みです。当日は他社事例も交えながら、定性調査により改善を行い効果の出た実例をご説明頂きました。

第三部 Q&A/トークセッション

Q1. ADTestで定性調査を行うクリエイティブはどの様なものが多いか?

布田氏
ウェブ上のコンテンツだけでなく、意外とアナログなもの(店頭POPや商品パッケージやラベルのシール、新聞や雑誌の広告など)も多いです。実際に印刷して使用する販促物は、印刷後に刷り直しをしたくないので、制作フェーズでご活用いただくことも多くあります。ADTestは、タグを埋め込むような工数が必要なく、調査したい画像とターゲットをご連絡頂ければ中2日で利用できるというスピード感でサービスを提供しております。ただ定性調査にも限界があり、調査する先はモニターであり実際のお客様とは異なるという部分が課題としてあります。

清水
そうなんですね。Go Insightの良いところは、実際のお客様がどのような購買行動をしているかをバイアス抜きで見ることができることです。今まではそういったお客様の購買行動を知りたいときはメーカーの方が一日中売場に張り付いていたりしたそうです。そういったところをカメラを活用することでデータ化できるのは強みですね。

田氏
なるほど。ちなみにGo Insightは小売様には協力してもらうものの、主体となるのはメーカー様という位置づけですか。

清水
我々コニカミノルタは小売様とメーカー様の間に立つような、第3者的な立場で調査を行わせていただきます。小売様からはカメラを設置するということで場所をお借りしています。メーカー様から発注をいただきまして、販促物の設置の期間を分けるなどしてデータ取得し、その後のコンサルティングまでを一貫して提供しております。

Q2. Go Insightの対象店舗選定の制約はある?(視聴者様からのご質問)

清水
特に制約は設けておりません。業種・業態によって検証を実施したい店舗やチャネルが変わってくるので、そこをヒアリングするところから調査設計をしております。新商品の投下や季節のキャンペーンなどでバイアスがかかってしまうので、そういったものを考慮しながらかなり細かくエリアや期間などを設定しております。バイアスをどう除いていくか、そこが腕の見せ所だったりします。

Q3.定量調査と定性調査のメリット、デメリットとは

布田氏
定性調査のメリットは「なぜ」がわかることです。デメリットとしては、「なぜ」の理由となるモニターからのコメントをどう考察に生かすかが難しいということです。例えば同じクリエイティブについて、良いという意見と悪いという意見が半々だった場合、結局どっちなのかと迷ってしまうことがあります。このような場合は、そのクリエイティブを誰に伝えたいか、つまりペルソナをしっかり固めることで解決しています。

清水
定量分析のメリットは、結果が明確に数字(Fact)として提示されることです。しかし、数字に惑わされるケースがあるというデメリットもあります。商品の企画や経営のやり方などいろんな要素が絡み合う中で、数字が良くなったということが必ずしも良い結果だとは言い切れません。数字の解釈は、商品や市場を知っているクライアント様にご協力頂き、実際のビジネスの観点を加味しながらコンサルティングを行っています。リアル店舗のデータというのは、ほとんどの人が馴染みもなく数字を見ただけではどのように活用したらいいか分からないので、最初の調査設計の段階から最後の顧客へのフィードバックまで含めて(例えば販促物の効果測定であれば、結果からこんな販促物を制作するのはどうですか?という所まで)アドバイスをさせていただいております。他の店頭リサーチ系のサービスとの一番の差異ポイントは、システム(データ取得)的な所だけでなく、顧客のビジネス課題の解決に向けたコンサルティングまで含めて一気通貫で専門家がご支援させて頂くサービスであるという所です。

Q4.Go Insightの費用体系や費用の変動要因は?(視聴者様からのご質問)

清水
費用の変動要因としては、調査のN数です。1週間で1万人通行されるような売場なのか、それとも数百人しか通らない売場なのかによっても変わりますし、調査実施期間によっても費用は変動します。数十万円~数千万規模のプロジェクトまで費用体系は幅が大きいので、先ずは一度ご相談を頂けますと有難いです。Go Insightはツールの提供サービスではなく、アドホック的なコンサルティングサービスとなります。

■編集後記

最後までお読みいただきありがとうございました。今回のウェビナーでは、前半では定性調査、後半では定量調査のお話をいたしました。リサーチの手段は様々ありますが、どれを行うにしろただ単に調査を実施するのではなく、仮説を立てること、KPIを設定することが大切だと改めて感じました。
(コニカミノルタマーケティングサービス株式会社・有賀)

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