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2020.09.24

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ビジネスサイエンティストが企業を強くする;茅場町-戦記 DE BELLO KAYABACHO

ビジネスサイエンティストが企業を強くする;茅場町-戦記 DE BELLO KAYABACHO

コニカミノルタマーケティングサービス株式会社代表の岡本が綴るブログ『茅場町-戦記 DE BELLO KAYABACHO』。 第三回はデータサイエンティストの実態、今後のデータサイエンティストに必要なスキルなどについて自社スタッフを例に挙げながら紹介します。

21世紀最もセクシーな職業

どんな仕事も劇的(ドラマチック)であって欲しい。仕事をドラマチックにでき「21世紀もっともセクシーな職業はデータサイエンティスト」と言うのは間違いなさそうだ。米国ではすでに人気の職業No,1になっている。今やビッグデータの時代。統計なくして経営は成り立たない。日本でもその存在が一般的になってきたものの、まだまだ経営プロセスにも、オペレーションにも浸透しているわけではない。さて、かれらの生態とはどう言うものだろう。まだ実物に接したことがない人も多いかもしれない。KMMSにいる彼らの特徴を書き出してみる。

  • 分厚い統計の本が何冊かデスクに置いてある
  • 場合によっては持ち歩く
  • ラーニングアニマル。学習意欲は冬眠前の熊の如し
  • 統計手法に関する議論は異常に盛り上がる
  • 趣味と仕事が重なっているため働き方は猛烈
  • 良き仲間を欲する
  • 統計を活用し実ビジネスに貢献したいという強い思いがある
  • 難しい案件であればあるほど燃えてくる
  • セクシーというよりかチャーミング


彼らこそ21世紀に輝く新しいエリート層だ。彼らは面白い案件や自分の成長に繋がる仕事を常に探している。とても貪欲だ。難しい案件にも怯まない。彼らを一つの仕事に繋ぎ留めておくことは容易ではない。そして彼らを一から育てるのは至難の業だ。素材探しと育成環境の構築が特に難しい。全くの経験論ではあるが、素養ある人は理系出身者の実に100人に1人くらいだろう。彼らを辛抱強く探り当て、その上で、様々な案件をこなしてビジネス経験を積める環境が必要だ。さらに彼らに的確なアドバイスを与える経験豊かなアドバイザーと刺激を与えあえる仲間たちが必要になる。弁護士事務所などに近いのかもしれない。

ビジネスサイエンティストになろう

インターネットの世紀になり、これまでにない膨大なデータを前に、企業にとって意思決定のスピードが競争優位の重要な一因となった。そしてデータは一握りのトップが大事に抱えているものではなくなり、組織全体で共有するものになった。つまり経営上の課題はデータをいかに集めるかではなく、どう活用するかに変わった。このような背景により、データサイエンティストの活躍の場はどんどんと広がっている。
では統計が苦手な人はどうしたらよいのか。諦めるしかないのだろうか。率直にいって、僕を含めてほとんどの人はデータサイエンティストになるのは難しい。だからといって諦める必要はない。統計は戦場における騎兵に似ている。育てるのが難しく、戦略的に扱うのはもっと難しい。騎兵を扱うのに名将が必要だったように、統計をうまく活用するにも能力が必要だ。新たな強力なツールを適切に理解し、実際の現場に落とし込める人材になれば良い。そういう能力を持った人をビジネスサイエンティストと定義しよう。
事業会社ではビジネスサイエンティストをどんどん増やすべきだ。マーケ、セールス、営業、生産、人事どの職場でも今後統計はもっと必要となる。日本企業には元々現場を熟知した人が多い。このような人が知識をつけることで、良きビジネスサイエンティストとなり、現場におけるDXを一気に推進してくれる。

データサイエンティストとビジネスサイエンティストの楽園を求めて

ビッグデータ時代にはリーダーは部下に全てを任せるのではなく、リーダー自身がビッグデータを活用し、現場で何が起こっているのか素早く細部まで把握することが求められる。現状理解に時間を費やす猶予はない。声の大きな人、勤続年数の長い人の意見に惑わされるのはもうやめよう。何が起きているのかを長々と語るのは意味がない。次に取るアクションの効果に関係ない些末な注意点や個人的なこだわりを芸術の領域に引き上げる人たちとはとっとと縁を切ろう。あなたが一番信頼すべきはデータだ。データを活用して素早く現状を認識し、統計的に効果が高いアクションからどんどん実現していこう。多くの場合、量は質を凌駕する。
このような行動をとれるリーダーがビジネスサイエンティストだ。ビジネスサイエンティストに必要な能力は高度な現場力とビジネスセンス、それにデータ分析への理解の3つだ。データサイエンティストとビジネスサイエンティストの違いは下図を参照してほしい。彼らがタッグを組むとこれほど強い組織はないだろう。KMMSはこの2つのタイプのサイエンティストを育て、活躍できる場を提供していきたい。データサイエンティストは今すごい勢いで育ってきた。今度はビジネスサイエンティストを育てる番だ。

執筆者
岡本賢祐

2001年コニカミノルタ入社後、ヘルスケア部門の国内新規サービスの医療IT部門を経て、アメリカの販社へ駐在し、会社運営全般を経験。
帰国後は中国での新サービス立ち上げなどに従事し、新事業のマーケティングサービス事業部へ配属。海外のマーケティングサービス会社を買収後、2015年、日本法人としてコニカミノルタマーケティングサービス株式会社を立ち上げ、17年より22年3月まで代表取締役を務める。

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