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2020.08.18

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働き方改革;茅場町-戦記 DE BELLO KAYABACHO

働き方改革;茅場町-戦記 DE BELLO KAYABACHO

コニカミノルタマーケティングサービス株式会社代表の岡本が綴るブログ『茅場町-戦記 DE BELLO KAYABACHO』。 第二回は令和時代の働き方について岡本の考えを紹介いたします。

理想の働き方

どんな仕事も劇的(ドラマチック)であって欲しい。仕事をドラマチックにできるかどうかが個人、若しくはリーダーの力量の見せどころだ。一人で黙々と真剣に仕事をするのももちろん必要だ。だけどチームメンバーやお客様を巻き込んで、一喜一憂しながら働けたら文句なしに楽しい。そんな時は課題が大きければ大きいほどやる気が湧いてくる。チーム全員が有らん限りの知能や技能を使って目的を達成したときの感動は、スポーツの興奮と通じるものがある。生きている喜びが全身で感じられる。これが僕の働き方だ。

働き方は企業文化

With コロナ、after コロナと働き方が更に注目されている。働き方の理想は人それぞれあってよい。「海外で働きたい。楽して稼ぎたい。人のために働きたい。仕事とプライベートを分けて割り切って働きたい。」いろんな形があるし正解はない。つまり理想の働き方というのは極めて個人的な嗜好となる。だから、どのような働き方をするかは個人の選択であるべきだ。一方企業のほうはどんな働き方をして欲しいのか、どんな働き方を目指す人に集まってもらいたいのかを隠すことなく正直にオープンにし、そのギャップも含め世間の評価をもらえば良い。時短勤務やリモート勤務、副職などの制度的な条件選択はどんどん導入すべきだ。だけど、制度的な条件の導入効果は限定的になる。本質的な働き方はなかなか変わらない。なぜなら働き方の本質は経営者の想い、会社の文化と密接に関係している。だから、社員の働き方を変えるためには経営者が自身の考え方を変え、明確に伝えていかなければいけない。

働き方改革の本質は成長と給与UP

今取りざたされている働き方改革は大きく分けて3つの文脈で語られる。「一つ目はブラック企業によるやる気搾取の防止。二つ目は生産性の低いホワイトカラー業務のDX化による効率化。三つ目はAIの脅威への対抗のため付加価値の高い業務への移行」にまとめられる。どれも社会的な問題であり、企業は今後の生き残りのために真剣に取り組むべき重要な課題である。
しかし、これらにはもっと根深い問題がある。それは平成における30年にわたる日本企業の低成長と低賃金の問題だ。昭和の無秩序な成長を抑制するために強化した組織の官僚制は、組織のダイナミズムを失い、管理可能な低成長をもたらした。業務は徐々に細分化していき、マイクロマネジメントが優秀さの証明になっていく。そして組織は完全に官僚化して硬直し、新しいチャレンジが生まれない。そこに終身雇用を前提とした年功賃金が加わり、どんなに頑張っても給与は増えることがない。社員の熱意や活気は徐々に失われていく。
成長は企業に全く逆のことをもたらす。成長によりどんどん新しい仕事が生まれる。解決すべき問題は増え続け、自然と一人の業務範囲は広がるため、上司もマイクロマネジメントなどする暇はなくなる。新しいポジションも増えるので社員の行動や意識は社内政治ではなくクライアントに集中できる。

成長への渇望。平成的マインドから昭和的マインドへの回帰

平成の時代は昭和のど根性的な働き方の反動から、スマートで管理中心の働き方が主流となった。そして令和の時代の今、今度はその平成的サラリーマンへの反動がきている。平成的サラリーマンとは成長が止まった会社において、組織内における生き残りや出世を最大の目標とし、優秀ではあるものの感情を殺して言われたことを懸命にやり遂げ、特段成果を出してないのにある程度の地位についているサラリーマン像を指す。昭和的サラリーマンと大きく違う点は、計画性やロジックがあるものの、熱意や気概、現場感がない。もちろん、そうでない人も多数存在する。しかし多くの企業において、20~30代がそのような平成的サラリーマンのマインドと仕事へのアプローチ方法や管理方法にうんざりしている。
よく最近の若者は会社への帰属意識がなく、情熱もなく、嫌ならすぐやめ、自分のことしか考えていないという声を聞く。しかしこれは全くの思い違いだ。新卒採用や中途採用の面談を通しての実感として、若者は働くことに希望を持って入社してくる。社会に役立つことをしたい、もっと自分で考えて大きな仕事がしたい、もっと成長につながることをしたいと本気で思っている。もし、やる気がないと感じるのであれば、それはただ今の会社に絶望しているのだ。実際今年のKMMSの新入社員4名は、新しいことに挑戦できる風土のある会社で最前線の営業として働きたいと、人もうらやむ大手に就職が決まっていたにも関わらずKMMSに入社してくれている。数十年前では考えられないことだ。

理想の働き方を実現するために

KMMSは、彼らが抱く働き方の理想を追求していく。従業員からも、クライアントからも唯一無二のユニークな存在であり続けるための象徴としてBlack Sheepを定義し、11の行動指針を宣言している。ついつい従来的な管理手法への誘惑にかられたとき、判断に迷ったときなどに、この宣言のおかげで軌道修正ができている。そのような個人的な利用にとどまらず、評価制度、組織体制にも行動指針を浸透すべく、今年度から人事や経理、総務などのスタッフ部門を集約しエンプロイーサクセス部門とした。データに基づいた公正な評価と社員の満足度やエンゲージメントを高めるためのサポートを目標としている。まだ、大きな成果を出すには至っていないが、理想の働き方を通して人が成長し、会社が成長し、成長によって多くの仲間が加わり、より大きな社会の課題を解決していく。そんなサイクルを創っていきたい。

執筆者
岡本賢祐

2001年コニカミノルタ入社後、ヘルスケア部門の国内新規サービスの医療IT部門を経て、アメリカの販社へ駐在し、会社運営全般を経験。
帰国後は中国での新サービス立ち上げなどに従事し、新事業のマーケティングサービス事業部へ配属。海外のマーケティングサービス会社を買収後、2015年、日本法人としてコニカミノルタマーケティングサービス株式会社を立ち上げ、17年より22年3月まで代表取締役を務める。

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