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2020.06.30

  • 業務プロセス改善
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実は1兆円規模のポテンシャル!?『PIM』が変える商品情報管理の未来

実は1兆円規模のポテンシャル!?『PIM』が変える商品情報管理の未来

今話題の情報管理手法「PIM(Product Information Management)」とは? PIMの解説、導入のメリット、導入時に気を付けたい事などを弊社業務DXコンサルタント羽田が解説いたします。

「PIM」とは?

「PIM(ピム)」と聞いて、ピンとくる方はどれ位いるでしょうか。ファミスタ世代のマーケターの方は、ピノ※の方がなじみがあるかもしれません。一口サイズのアイスもありますね!

※ピノ:打ってから1塁到達までわずか2.5秒と,実際のプロ野球選手よりも速い走力を持つ超俊足のバッター(Wikipediaより)

今回お話するのは「PIM(ピム)= Product Information Management」。

PIMは、その文字通り商品情報を集約して管理するプロセスや技術・手法の事を指します。この場合の商品情報とは、商品の設計図に始まり、機能や価格、宣伝用の画像、関連商品(クロスセル・アップセル商品など)と、商品に関連するあらゆる情報を指します。これらを全てひとところで管理・閲覧・利用できるようにしよう、という思想がPIMです。日本では、システムツールの意味合いとしてPIMを使うことが多いようです。市場の年成長率は10%以上、2024年には市場規模が約1兆円にも成長するというレポートもあるトレンドツールです。市場が最も大きいのはアメリカです。

日本ではまだまだ一般的ではないPIMという言葉ですが、誕生の背景には4マス媒体以外の、自社ECやSNS、動画などのプロモーションメディアの増加が挙げられます。この5年ほどで「商品情報(商品画像、仕様、価格)」を統一して、同内容にてリアルタイムに発信することが求められており、クロスメディアな対応が必要とされています。アメリカからきたこの潮流は、日本市場にも大きな影響を与えています。

このような世の中の潮流に対し、発信する企業側の実情はどうでしょうか?

一言で言いますと「マンパワーで何とかしている」というのがまだまだ実態のようです。皆様はいかがでしょうか。仕事柄、販促に携わるマーケターの方々とお話することが多いのですが、8割以上の確率で「ブランド毎、商品毎、カテゴリー毎で商品情報を管理していて、制作の都度、担当者へ問い合わせている」というご回答です。ツール云々というよりも、社内のことを分かっていてコミュニケ―ションに長けた方が、Web管理やプロモーションを担当している。そんな企業様が多いように感じます。

「商品情報を一元管理し、クロスメディアに対しリアルタイム対応できる」というのが、PIMの醍醐味なのですが、その導入メリットはどんなとこにあるのでしょうか?

PIM導入のメリットとは?

背景や市場についてお話しましたが、実際に導入される企業が期待している事、メリットはどんな所にあるのでしょうか。集約すると以下のような形になってくると思われます。

1.情報を一元管理する

従来、エクセルや社内共有サーバー、個人PC等でバラバラに管理していた商品情報を集約。

部門や国境を超えて、商品情報「元」を管理することで、メディアへの掲載ミス防止や、ガバナンスの強化を図ることができます。

2.各種メディアと自動連携する

従前、当たり前のように行っていた複数箇所、複数システム、複数プラットフォームへの情報更新を、PIM上に集約。1か所訂正すれば、関連個所が一気に書き換わるイメージです。

各種メディアへのリアルタイムな情報反映を実現することができます。

3.簡単に・安全に情報を扱う

セールス、小売が要望するフォーマットに簡単に変換が可能。

当たり前のように行っていた、リサイズ、拡張子変換、取引先・関係部署へのメール送信等、工数がかかっていた業務を大幅に削減できます。

皆様はいかがでしょうか?説明の中に挙げた課題感として、1つでも当てはまれば是非最後までお読みください。

導入前に必ず確認したいこと

ツール導入となりますので、費用面の問題が出て来ます。上記で挙げたような環境を実現するため、PIMによるリスク排除、費用対効果、導入メリットが自社にとって有益であるという判断をする必要がありますね。

頭でわかっていても、メリットばかりに目が行き過ぎて足元をすくわれる=導入失敗するという事はツール・システム導入において実はよくある事です。2018年発表のデータによりますと、ITプロジェクトの失敗率は約50%(日経コンピュータより)。主要因は要件定義漏れです。

そこで、弊社が実際のお客様事例から考えるPIM導入において大切なことをお伝えさせて頂きます。

【PIM導入において大切なこと】

①ステークホルダーへの徹底したヒアリング

上記の主要因にもありますが、最大の失敗原因は要件定義漏れです。

PIMは経理システムや人事システムと違い全プロセスの情報を扱うため、開発・商品企画・営業企画・マーケティング・セールス、場合によっては管掌役員に至るまで関係者が膨大です。企業の根幹を成す「商品」の情報を管理する為、導入段階で「情報の整備と統一」を徹底する事が必須になります。
プロジェクトリーダーの方は少し時間をかけて「今、各部署でどんな管理をしているのか」「担当者はどこに課題を感じているのか」等一つ一つしっかり且つ丁寧にヒアリングしていくことが重要になってきます。勿論、全部署・全担当者の言い分を叶えることは難しいので、最終的には最大公約数的な落としどころを探らなければいけません。
ただのツール提供だけで終わらない、ヒアリング能力・構築ノウハウを持ったパートナーとの並走が大事になってきます。

②部門を超えた運用体制作り

①でご紹介した通りPIMは関係者が多いツールです。当然、部門を超えた利活用が当たり前になってきますので、会社としての意思統一、ルール作りが必要です。よくお聞きする事は「しっかりとしたプロジェクト体制で臨みましょう!」というお話です。間違いではないのですが「プロジェクト体制」だけ決まっていれば果たしてPIM導入は成功するのでしょうか?
当然のことながら答えはNO。導入後の「運用体制」こそが重要です。ある部門は効率化したが、そのしわ寄せで別部門にPIMメンテナンス業務が増えるなど、しわ寄せがいかない運用方法と役割決めがとても重要になってきます。日本企業はどうしても部門間の壁が高く、サイロ化された組織が多い傾向があり、運用を始めたはいいが、対話が持たれないまま部署間での不満が高まり、運用がいつの間にか止まってしまうという状況も散見されます。
「商品情報」という横断的な会社の最重要資産を扱うのでこういったコンフリクトは当然と言えば当然なのですが、PIM発注先パートナーには相応の「調整力」も求めたいところです。

③日常プロセスへの落し込み

①ヒアリングをしっかりと行い構築し、②運用体制も固まったらあとは日々の業務の中に「どう商品情報を登録していくか」という担当者への落とし込みが重要になってきます。
皆様においても「この資料は会社の共有サーバー(01.○○)の中に入れて管理しよう!」と部署で決めたにも関わらず、2カ月経ったら形骸化し個人のPCで管理されてしまっていたなどという経験はございませんか?私は恥ずかしながら何度かあります。そしてお客様においても同様の事例を近くで見てきました。一言で申し上げるなら、私の事例もお客様の事例も「メリットとデメリットの共有が出来ていない」ということになります。ポイントは両方共有するということです。
例えばPIMで言えば「問い合わせが大幅に減る」「カタログが簡単に作れる」
「Web周辺の管理が楽になる」というメリットと「データを溜めないとただの箱になる」「クロスメディア対応の時間短縮ができない」というデメリットがあります。双方をしっかりと明文化し「データを溜める習慣作り」をすること。実は一番大事な点だと感じています。

「森を見るなら木を見よう!」ステップ導入のすすめ

「木を見て森を見ず」どこかで一度は聞いた事のある言葉かと思います。「目先のことだけに集中していて全体像が見えていない様子」などとして使われますね。ビジネスの世界に身を置くとマクロ的な視点は大事と分かっていても、目の前の業務に一喜一憂してしまう事もあるかと思います。かく言う私も本原稿を書きながら3日後に迫ったセミナーの資料に手が付けられていません・・・
話を本題に戻しますと本コラムをお読み頂いて「PIM、何だか壮大だなぁ」「まだまだ当社には敷居が高いなぁ」「まだまだマンパワーで!」等いろいろなご意見があるかと思います。

皆様がお感じになられたことは実はPIMを検討されてる方が皆感じているところです。そこで弊社では、下記のようなステップ導入をお勧めしております。

皆様の会社には商品画像やプロモーション用動画、キービジュアルに販社用宣材写真等、様々なデジタル資産があるかと思います。今までの当社の経験で一番多かったお声、それが「商品情報と画像データ、両方いきなり一緒に蓄積するというのは、大掛かりすぎて厳しい。だけど将来的な事も考え仕組みとして導入したい」というものでした。

まずは一部署のDAM※導入から始め、全社のPIMへと発展させて頂いたお客様もいらっしゃいます。上の絵で言う④を見据えた②の実践ですね。スモールスタートになりますが、①低コストからの実践、②確実な運用体制の構築、③課題の洗い出しと業務フローの見直しが行えるという3大メリットがあります。
勿論PIMからの導入となりましても弊社では、万全なサポートとコンサルティングをご提供させて頂きます。一案としてご検討材料に加えて頂ければ幸いです。

※DAM:Digital Asset Management。主に広告や販促で使用する画像や動画、制作データなどのコンテンツを関係者間でオンライン共有する仕組み

さいごに

「どんな業界に合うの?」「導入期間はどれくらい?」「うちの商品点数で導入して効果出る?」など疑問・ご質問などございましたら是非こちらよりお問合せ下さいませ。過去に実施したセミナーの資料もご提供させて頂けますので是非お気軽にご連絡ください。
最後までお読み頂きありがとうございました!

執筆者
コニカミノルタマーケティングサービス株式会社
業務DXコンサルタント 羽田貴明

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